皆さん、こんにちは。
ザカリです。
現在、オーストラリア・シドニーでリメディアルマッサージセラピストとして、こちらの理学療法士さん達と仕事をしております。
今回の記事では、リメディアルマッサージセラピストとしての接客の基本についてお話しいたします。
マッサージセラピストになりたて。顧客との接待に緊張ばかりしてます。
この記事は、そんなセラピストとして働き始めてまだ日が浅い方に参考になります。
基本的な施術の流れですが、これから説明することに沿ってマッサージの施術をすると、驚くほどプロらしくなっていきます!
施術前のリメディアルマッサージセラピストの接客には、大まかに3段階に分かれます。
基本的な施術前の流れ:
視診ついて
問診ついて
触診ついて
ザカリがリメディアルマッサージセラピストとして働き始めたばかりの頃は、クライアントとの対応に緊張していた時期もありました。
この記事が少しでも皆さんのお役に立てれば嬉しいです。
視診から始まるリメディアルマッサージセラピストの仕事
クライアントが来診され、マッサージの施術をする間までに、クライアントのコリや痛みの度合い、筋肉質な体質なのか、体が柔軟な方なのか、頭の中にはたくさんのことが浮かぶと思います。
この皆さんの施術部屋に案内する時点で、実はトリートメント(施術)は開始しています。
まずは、歩き方、癖、顔の表情(フェイシャルエクスプレッション)をザッと、頭にインプットしましょう。
クライアントの癖や歩き方、顔の表情を察知するのが大事です。
最初の頃はとにかく余裕がなくこの視診を忘れがちになります。←ザカリがそうでした(汗)。
でも、この「視診」、施術をする上で、とても重要なんです!
スポーツやケガをきっかけにマッサージを受けにくるクライアントの場合
ザカリは理学療法士クリニックで働いているので、彼らの患者さんを見るときは、痛みや病状・怪我の進行具合などを事前にチェックし、その上でクライアントの筋肉・筋膜をリリースしていきます。
このようなケースでは、比較的、技術的な面から入ることが多いのですが、一番重点に置くのは、患者・クライアントの動き(癖)や、歩き方など、施術に必要な事柄をどんどんと頭に入れていくことです。
ストレスによる身体のコリでマッサージを受けに来るクライアントの場合
さて、リメディアルマッサージセラピストにアポイントを取られるクライアントさんの中には筋肉・筋膜リリースをすればそれでオーケーというだけではいかないクライアントさんも中にはいらっしゃいます。。
この部分が、同じボディワーカーでも、理学療法士さん、カイロプラクターとは少し異なる部分がありますね。
このようなクライアントさんの中には、精神的に不安定なられている方、また、そこまでいかなくとも、気分的に常に落ち込んでいらっしゃる方もいます。
顔の表情や話し方にも敏速に察知しながら視診していくことも大切なんです。
ストレス反応から身体的な面でマイナスな方向へ行く場合があり、その経緯でマッサージを受けに来られる方もいらっしゃいます。
リメディアルマッサージは基本的にマッサージの施術により体の不具合を改善していくだけでなく、精神的な面でサポートをしていくケースも時には必要になります。
患者・クライアントさん達のお体を大切に扱うのはもちろんのことですが、精神的な面でもふんわりと何気にサポートすることは、ボディワークに携わるセラピストにはとても大切なことですよね。
リメディアルマッサージの問診はアクティブリスニングをベースに
視診が終わりましたら、次は、問診です。
リラクゼーションマッサージなどですと問診はないと思いますが、日本で病院やクリニックで働いているセラピストさんの場合には、リメディアルマッサージセラピスト同様に、問診は必須ですよね。
ザカリの勤め先のクリニックでも、イニシャルコンサルテーションの際に事前にクライアントさんに詳細を記入していただくシートがあるので、それを見ながら施術に必要な情報はできる限りあらかじめ確認します。
*前記事でも触れましたが、安全に施術をする上で、必ず注意事項を前提に問診を進めていきましょう。
まず、問診をする上で、大切なことは以下の二つです。
- クライアントの痛みやコリの改善するために必要な質問事項5点を聞く。
- アクティブリスニングでクライアントにアプローチ
↑基本的には、この二つです。下記に説明させてください。
クライアントの筋肉のコリの改善を図る上で必要な5つの質問
- コリの箇所・筋肉痛の度合い
- 痛みの開始してから経過した期間
- 慢性か急性なのか
- 現在、身体の他の箇所でも痛みがある
- クライアント・患者のスポーツや職業
それでは、一つひとつ見てみましょう。
コリの度合いの確認
コリの箇所の確認は、ほとんどのセラピストの方が聞かれると思いますが、コリの度合いを聞き忘れる、もしくは聞かないセラピストさんがたまにいらっしゃいます。←これはNGです。
なぜなら、この度合いを聞き忘れてマッサージをするということは、患者さんの体の具合を無視して施術を行うことになるからです。
危険極まりない!!!
そのような施術で改善するなんてことは、よほど筋肉がしっかり鍛えられている方でない限り無理ですね。
必ず、痛みやコリの度合いによって、圧の強弱を考慮してくださいね。
どのぐらいの期間で悩まれているのかも聞きましょう。
コリや痛みが発生してから、どのくらいの期間が経過したのかを確認するのも忘れてはいけません。
急性?それとも慢性?
痛みやコリが急性であるのか慢性的なものであるのかも確認しましょう。もちろん、2、3日以内の怪我などによる痛みである場合には、当然、マッサージを行うことはできません。
他に考えられる痛みやコリはあるかも確認しましょう。
皆さん、ご存知ですか?
人は痛いところがあると、脳は1番痛いところに痛みを感じますが、2番目に痛いところって、結構忘れることができます。
そのように脳が便利に動いてくれるのです。
こちらでは、それをプライマリーペイン、セカンダリーペインと言います。私のクライアントにも、このセカンダリーペインのことを一切伝えてくれないクライアントさんもいます。(確かに、一番痛いところをどうにかして欲しいときは2番目に痛いところはどうでも良くなるものかもしれませんが。)
このように、脳が便利に動いてくれるのは良いのですが、カウンセリングの際には注意を払いながら、質問していくことが大事です。
なぜかと言いますと、2番目に問題のある場所も聞き出すことによって、クライアントの身体の問題や原因に気づいたりすることもあります。その結果、施術のプランがとてもしやすくなり、正確な施術とアドバイスをすることができるようになります。
もし、まだご確認されていないのであれば、早速でもカウンセリングの際に取り入れてみてくださいね。固定のクライアントが増えることは間違いなしです!
クライアントの職業や趣味
クライアントさんの普段の行動をチェックすることも施術にはとても大事なことです。
例えば、クライアントさんがテニスやゴルフなどをされている方であれば、痛みの原因がそこからきている可能性もあります。
一日中デスク前に座り、右手でマウスを動かす会社員の方や、学校の先生などですと、絶えず利き腕を上げてホワイトボードに書いたりしているので、常に腕が疲れている方もいます。バイオリニストの方の姿勢を考えてみてくだい。絶えず、首を曲げてますよね。
色々と施術の手助けになる要素は事前に確認しておくことが適切な施術へと導いてくれます。
リメディアルマッサージセラピーはアクティブリスニングが鍵
シドニーのリメディアルマッサージのスクールに通っていた際に、講師から「どんなセラピストでもActive Listening」は大切だと、口を酸っぱくして言われました。もちろん、相手の話しに耳を傾けることは、セラピストであるないに関わらずとても大切なことですが。
アクティブリスニングスキルを養うことは、セラピストの絶対条件です。
アクティブリスニングスキルは、どんなセラピストでも必要な要素です。
- コミュニケーション力
- 共感能力
この2点が、まずは一番大事です。その後に、テクニカル的なものが来ます。
- 施術力
- 専門性
- アドバイス
これらがうまく調和された時点で、セラピストは顧客から強い信頼を受けます。
特に最初のコミュニケーション力と共感力はセラピストになるには絶対条件です。
どんなに素晴らしい技術力があっても、コミュニケーション力と共感力が備わっていなければ、新規のクライアントから常連のクライアントへと導く結果には繋がりません。
技術力に不安な新米のセラピストさん、自信をなくさず頑張ってくださいね。上記の二つがあれば、残りのテクニカル的なものはいくらでもついていきますから。
反対に、共感力や配慮に欠けている方は、決して、セラピストには向いていません。技術力が相当なものであれば、我慢しても来る方はいるかもしれませんが、それがクリニックの繁栄に結びつくとは考えらないと、筆者は強く思います。
もし、新米のセラピストさんの中で、コミュ力が弱い、聞く力があまりないと思われているようでしたら、良い書籍をご紹介します。
クライアント獲得には、アクティブリスニングのスキルが必要です。是非、参考になさってくださいね。
タイトル:アクティブ・リッスン!「聞く力」を武器にする(Kindle版)
著者:澤村 直樹
リメディアルマッサージの基本・触診
クライアントが腹臥位の状態になり、さて、マッサージが開始する少し前です。
スクールでは、実際の施術の前提として行うべき事として、可動域のチェックや姿勢のチェックを先にすることを習いました。
っが、多分それをノロノロとチェックをしていたら、クライアント達はハッピーではありません。私も1年目の頃はそんな経験をした記憶があります。
「なんでもいいから早く、コリをどうにかしてくれ」みたいな顧客は存在します。(汗)
ザカリは、この8年近くの間に方針を自己流で変えました。流れとして、次のようにしてます。
腹臥位の状態の時に「ザッ」と、チェックします。完璧にはわかりませんが、大体は経験とともに予想がついてきます。
その日はマッサージの施術だけをし、基本的にある程度の痛みやコリを改善させるだけに絞る
クライアントの痛みやコリが改善方向に向かえば、おそらくクライアントは戻ってきます。
姿勢アセスメントや可動域のチェックをゆっくりしても、クライアントは初回でハッピーなので問題なく行える。(クライアントの根本的の問題を追求し解決に導く)
上記の流れで施術を行う方が、セラピストとクライアント間のベストな信頼関係を繋ぐことができ、新規のクライアントが、固定のクライアントへと定着していきます。
*圧のかけ方に関しては、下記の関連記事をご覧くださいね。
リメディアルマッサージ師も関節可動域(ROM)のチェック
関節可動域のチェックに関しては、ちょっとしたコリの改善目的には絶対に必要というわけではありませんが、痛みがある場合には必要です。その場合には、可動域に制限がかかっているかどうか必ず確認しましょう。
まとめ
この記事では、クライアントにマッサージをする上での基本的な接客の流れを説明しました。
視診→問診→触診の3段階の流れで、自分なりの解決方法でクライアントのコリを改善していきましょう。
慣れるまでに2年ぐらいはかかるかもしれません。
ただ、最初にも言いましたが、技術的な部分は時間と共に確実に養われていきますので、どなたも心配することはありません。共感力とコミュ力、これさえ持ち合わせていれば大丈夫です!!
最後まで、お読みいただきありがとうございました。