みなさん、こんにちは。
今日は、リメディアルマッサージセラピストとしての固定クライアントを獲得する上で、なくてはならない姿勢観察について解説いたします。
デキるマッサージセラピストになりたい。
リメディアルマッサージセラピストになるにはどうしたら?
この記事でわかること:
- リメディアルマッサージに絶対必要なもの
- 姿勢観察が大切な理由
- リメディアルマッサージセラピストのおすすめの書籍
リメディアルマッサージ師に必要なものは?
マッサージの技術を磨く上で、たくさんのマッサージ手法を習得することに精一杯の力を注ぐ若手のセラピストはたくさんいます。
それはとても重要です。
ただ、頭の中の引き出しにあらゆるハンズオンの技術を増やしても、それだけでは固定クライアントを保持するのは難しいとリメディアルマッサージセラピスト8年歴の筆者は感じます。
それでは、ハンズオンの技術の他に何が必要なのでしょうか?
それは、「目の技術」です。
目の技術とは、クライアントの姿勢・身体を数分の間に観察し分析できるかということです。
この「目の技術」を養わなければ「手の技術」はタンスの肥やしとなるだけです。
この「目の技術」を養うには経験が必要ですが、努力をすれば1、2年の間で習得できます。もちろん、本で勉強しただけですぐにできるようになることはありません。たくさんのクライアントさん達の施術をする回数を増やすことによって習得できるものです。
姿勢分析ができると施術力がパワーアップします。
リメディアルマッサージに姿勢観察が大切な理由
姿勢観察が大切な理由を一つひとつ説明させてください。
リメディアルマッサージ施術中に迷わなくなり時間の短縮につながる
クライアントの姿勢観察・分析が速攻でできるようになると、施術の時間の短縮ができることです。
驚くほど施術が楽になります。
まず、施術で迷うことがなくなります。
クライアントの身体を把握しないまま、マッサージの施術をするほど怖いものはありません。
問診によるクライアントからの情報と、やみくもに「感」だけを頼りにして施術を行うと、結果を出すまでに時間がかかるだけの施術なる可能性が高いです。
もっと残念なのは、本来の問題から全くそれた場所を施術したりすることにもなり、クライアントの問題の解決には導かず、結果として顧客は去って行ってしまうこともあります。
姿勢観察は、施術の時間を短縮するのにとても優れた「目の技術」を養う大切な方法です。しっかり身につけてクライアント確保していきましょう。
クライアントの根本的な問題を発見できる可能性がある
姿勢観察することは、クライアント一人ひとりの「姿勢の癖」を把握することが可能です。
人の身体の骨組みは理科室にあるようなパーフェクトな骨組みであることは少ないです。(っというよりないかも?)
特に、歳を重ねるごとに理科室のスケルトンのような「美しさ」からは離れていきます。
もちろん、それはエイジングということもあります。でも、実際にはそれだけではありません。
それは、日々の「姿勢の癖」によりそうなっていくのです。
歩き方の癖、座り方の癖、パソコンのマウスを持つ癖、カバンを持つ癖、一人ひとり違うわけです。
上の画像は姿勢観察をするときに体を区分して見分けるのに使います。
左が正常な理想の姿勢。
右はかなりすごいですね。正直、ここまでの姿勢の方はそんなに頻繁にはいません。パッと見ると一見、大概の方は理想の姿勢のように見えます。
ですが、頭の中に下記のようなラインを入れると、すぐにわかります。たくさんの方が理想から結構ズレていることに。
姿勢観察・分析は、クライアントの痛みやコリの根本的な問題を発見できる可能性があるので、施術へのメリットは大です。
身体の問題が意外なところである場合、姿勢分析が頼りになる
例えば、みなさんの働くクリニックに毎日20キロ近く走るランナーが両脚の筋膜リリースに来られたとします。
もし、問診の際、その男性が走るたびに膝の痛みがあるという悩みをセラピストの皆さんに伝えられたら、皆さんはどのような施術をされますか?
理学療法士さんでなくとも、リメディアルマッサージセラピストのあなたの頭には、骨盤の位置、膝の位置、足の形(扁平足など)、足のオーバープロネーション(過剰な回内)やオーバースピネーション(過剰な回外)の可能性はないかと想像し始めるかと思います。
実は、姿勢観察をすることにより、このような問題を解決するヒントがたくさん隠れているのです。
逆に言いますと、この姿勢観察を行わないで、マッサージの施術をすることは非常に手間もかかりますし、無駄な労力を使うだけですので、必ずチェックすることをおすすめします。
姿勢観察をすると他にも利点があります。
それは施術が部分的ではなく、全体的(ホリスティック)なアプローチになるので、クライアントの問題を改善しやすくなります。
40肩50肩だったら、肩だけ、膝が悪いと膝周りだけを施術する。
↑部分的に問題を解決して良くなったとしても、すぐに元に戻ってしまうという結果になります。
クライアントの「ボディメカニック」をしっかり理解することはリメディアルマッサージセラピストとして、とても大事です。これは、リメディアルマッサージだけではなくどんなフィジカルセラピストに対して言えることですが。
膝が痛いのは、腰や骨盤から来ていることが多いし、さらには胸椎や肩甲骨までに派生していることも多くあるわけです。
姿勢分析にもう一つ知っておくと良いこと
次に姿勢観察をするためには、解剖学で習った「Body Planes」を頭に描きながらクライアントと接すると、さらに簡単に問題点が浮かび上がってきます。
少し、おさらいしてみましょう。
- 一番左の区分を「Sagital plane」というのですが、身体に対して右と左を分けるようにプレートが入ることを指します。
- 真ん中の区分を「Frontal plane」と言います。身体に対して前と後ろを分けるようにプレートが入ることを指します。
- 右の区分は「Transverse plane」と言います。身体に対して上と下を分けるようにプレートが入ることを指します。
この「Body Planes」、特に「Sagital plane」と「Frontal plane」ですが、クライアントの姿勢を観察するときにこの二つのプレーンを頭の中に描きながら観察してみると、分析がとっても簡単にできるようになります。
筆者は、姿勢観察の仕方を講師から習っていた当初は、全くどうして良いものかわかってませんでした。それこそ、前項目の右側のスケルトンぐらいの姿勢なら別ですが。
それだったら、セラピストでなくてもみんなわかりますよね。(笑)
特に他の学生達も年齢が20代から40代が多かったのでエイジングにより姿勢が変わってしまった人はいませんでした。
でも、年齢に関係なく、クライアントの身体には色々な特徴があることを知り、数分で判断できるようになったのは、実際に働き始めてからです。
リメディアルマッサージセラピストのおすすめ書籍はこれ!
もし、姿勢についてもう少し勉強したいという独学の方、現在リメディアルマッサージの勉強をされている方がいましたら、下記の著書がとても参考になります。
洋書になりますが、筆者が新米セラピストだった頃とても参考になった書籍です。
「Postural Assessment」
著者:ジェーン・ジョンソン
まとめ
みなさん、いかがでしたでしょうか。
姿勢分析をすると:
リメディアルマッサージ師になくてはならないもの
姿勢分析の大切さ
姿勢分析に絶対オススメ書籍
日本で独学でマッサージを勉強されている方はもちろんのこと、リメディアルマッサージセラピストになられたばかりの方も復習の意味で読んでいただければ嬉しいです。